最短撮影距離と接写

超小物撮影=マクロ撮影の基本

このレンズは0.45mが最短撮影距離

お手持ちのカメラ(レンズ)の最短撮影距離はご存知でしょうか?最短撮影距離とはカメラのボデイやや後ろの面(距離基準マーク)を起点にしてピントが合う最短距離です。付いているレンズにより距離は異なりレンズに表示があります。
ニコンのAF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRのカタログスペックでは最短撮影距離
0.28m(ズーム全域)と表示があります。

つまり28cmの距離まで接写が出来るわけです。

最大撮影倍率に注意

もう一つ接写の基準となるスペックに最大撮影倍率があります。上記ニコン18-55mmの場合0.31倍となってます。センサーサイズ(APS-Cとかフルサイズとか)の0.31倍まで写せるわけです。一円玉サイズを撮る場合、1倍だとほぼ画面いっぱい写せますが、0.31倍はかなり余白が出ます。デジタル一眼の多くのレンズでは、名刺~L版写真の複写程度までが限界です。ネイルチップ(片手分)くらいが撮れると思えば良いでしょう。

コンデジの中にはマクロ機能付きがあり、コイン(500円玉)程度は十分接写出来る機種もあります。指輪サイズになると少し無理です。

接写の為の機材は3種

接写するための機材は、3種類です。

1、クローズアップレンズ

レンズの先端にフィルターのように付けるアクセサリーで、クローズアップレンズと言われます。代表的なメーカーのケンコーの場合No1からNo10まで接写出来る度合いの違うレンズ(フィルター)が発売されています。
接写の度合いが知りたい方は下記をご覧いただくとわかりやすいでしょう。
https://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/filter/sonoe/
スマホで接写するにはこのクローズアップレンズ方式のアダプターをつけるしかありません。

2、中間リング

レンズ交換できるカメラのボディとレンズの間に入れ、レンズの最短撮影距離を短くする接写を可能にする機材です。
電子接点がついているもの無い物(全部マニュアル撮影)など色んな製品が入り乱れています。代表的なメーカーのケンコーの物を選べば良いでしょう。製品説明はしっかり読んだ上で購入ください。

専用マクロレンズ

ジュエリー・ネイルチップなど接写が主体ならこれが一番お勧めです。各カメラメーカーの純正品をはじめシグマ、タムロンなどレンズメーカーも製品を出しています。
レンズの繰り出しが長く特別なアダプターを必要とせず接写できます。
フルサイズデジタル一眼をお使いの場合、焦点距離50mmの物はワーキングディスタンスが撮れない場合があります。(製品も60mm~105mmが多い)管理人のおすすめは90mmです。
マクロズームレンズはありません。マクロ表示のレンズはマクロ機能付き(すこし接写出来る)という意味なので勘違いしないようにしてください。

まとめ

画質は理論的に言えば、マクロレンズ⇒中間リング⇒クローズアップレンズの順になります。管理人の感覚として中間リングは電子接点の接触不良などが多く、信頼性がやや下がったように感じます。またレンズを外して装着するのは意外と手間です。緊急用にクローズアップレンズを1~2枚置いておき、衣料品のタグなどの撮影は最高画質で撮影→後でトリミングで対応できると思います。

マクロ撮影が多いなら

マクロ撮影主体ならマクロスライダーがあると便利です。マクロ撮影はピント合わせがシビアで微調整することが多く、マクロスライダーがあると無いでは作業効率が全く違います。