ストロボのW(ワット)数とガイドナンバー

モノブロックストロボ(大型ストロボも)の出力を表すのに○○W(ワット)と表記があります。メーカーにより商品名にワット数が書いてある製品もあります。モノブロックストロボの場合、代表的な(よく売れている?)機種は300Wの物です。
一方でクリップオンストロボやカメラ内臓ストロボの光量はW数ではなくGN(ガイドナンバー)が書いてあります。
GN60とかGN38とかの表記です。こちらも商品名にガイドナンバー数値を入れた機種が多々あります。
あるある質問に、モノブロックストロボの出力○○Wの時のGNはいくらですか?とか、このクリップオンストロボのW数は何Wですか?という質問があり、なんで簡単に換算は出来ないのですかとも言われます。
大型ストロボもモノブロックストロボもクリップオンストロボ、全種類使うカメラマンは、体感的・経験的に、おおよその光量がわかります。
基準が違うので比較には無理がある
ガイドナンバー(GN)=距離(m)×絞り値(F値)です。式を変えると絞り値(F値)=ガイドナンバー(GN)÷距離(m)になります
フィルムカメラの時代は、このGNを頭に入れて被写体との距離に応じて絞り値を出していました。普通表示されているGNは感度ISO100の物です。
計算例、GNを仮に40÷レンズの鏡胴に表示された被写体までの距離(仮に5m)=絞り値F8
オートストロボと言われるストロボのヘッドにセンサーがあり発光量をコントロールできる機種では撮影(範囲)で絞りを決めていました。
このような話は無駄だと言われそうですがガイドナンバーGNは露出のための指数です。メーカーの販売戦略というか表示のマジックが存在します。
ガイドナンバー(GN)を注意してみているとストロボのスペック表に焦点距離200mm時GN60とか24-105mmズーム対応最大43とかの表示があります。
元々の光量を10とすると、発光管の前に付けたフレネルレンズを動かして集光して20とかにしたのが焦点距離でGNが変わるトリックです。つまり200mm時GN60の機種より105mm時GN58の機種の方が基本・元々その機種の持っている光量は大きいと考えてください。まとめると下記のようになります。
ガイドナンバーGNはヘッド内臓レンズで数値が変わる、露出を決める目安であって光の量を表さない。
一方のモノブロックストロボなどのワット数表示は、発光管から出る、全ての光の量を表します。この手のモノブロックストロボ(大型ストロボのヘッド)は数種類のリフレクターやアクセサリーが付けられ集光の度合いが変わります。出力対GN表示は条件がそろわず無理な話となります。
GN60のクリップオンストロボと300Wのモノブロックストロボで言えば体感的には8倍ほど違います。
結論的に覚えていただきたいのは、強引にW表示・換算させると(参考 下記Godox V1)
クリップオンストロボ大光量タイプ(ISO100,200mm時GN60の機種)で70W程度でしょう。(筆者の感覚で)
[日本正規代理店/技適マーク] Godox V1-C CANON対応 フラッシュ ストロボ 76WS 2.4G TTL ラウンドヘッド 1/8000 HSS [1年保証/日本語説明書/クロス/セット品] (V1C)デジカメ時代になり大光量でなくても撮れるようになった
フィルム時代は、撮影する感度ISOは使うフィルムで決められていました。カットごとに変更など考えられないことでした。デジタルカメラになり感度は自由に変えられるようになり、高感度ノイズも改善されISO400を常用しても問題なく撮影できます。(高感度ノイズ低減はスマホに対応するため、さらに進化している)
300Wモノブロックストロボを持っていても実際の仕事では、50W~200W程度で使うことが大半です。
たっぷりとした光量でゆとりを持って撮影するのは良いことです。しかしISO100でF16まで絞ってもオーバーになるジェネレータ型(分離タイプ)の大型ストロボは、もはや使いにくい機材です。
最初に書いた、よく売れていたストロボは300Wだったというのは、出力200WのGodox AD200という機種が人気でその売れ行きは当面続きそうだからです。
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