光学スレーブ
カメラからストロボを離してライティングする時、必ず考えなければならないのがストロボの同調発光です。つまりシャッターを切った時にストロボを同時に発光させることです。
歴史的にはシンクロコードで同調発光させる時代が長く続いています。シンクロコード以前はマグネシウム粉を手動でタイミングよく燃やす(発光)させる方法が用いられていました。(昭和20年代まで)
シンクロコードは多灯セット時など取り回しが面倒で、引っ掛けて機材を倒したりすることがあり、出てきたのが光学スレーブという方式です。
撮影するカメラに取り付けたストロボか、カメラの近くにおいた外部ストロボ(シンクロコードで)を光らせて、その光を拾ってほかのストロボが発光させるシステムです。
厳密にいえば、発光の時間差が生じますが、光の速度は速くカメラのシャッター速度から見ると全く問題ありません。
光学スレーブ機能は多くの機種についている
分離型の大型ストロボやモノブロックストロボには光学スレーブ機能が付いています。(ほぼ全部かも)
中国製のクリップオンストロボにも機能付きの製品が多数販売されています。
国産メーカーの純正ストロボは、なぜか光学スレーブ方式ではなく赤外線方式を採用してます。つまり下記アダプターが無いと光学スレーブの同調はできません。(新製品で出てくるかも?)
光学スレーブ機能を追加するアダプターも数種類発売されています。写真は老舗のユーエヌの製品です。(580EX・580EXⅡは使用不可)
このメーカに限らず、プリ発光するカメラメーカーのストロボや内臓ストロボの多くは同調しません。
(中国製のクリップオンストロボには、プリ発光モードを内蔵している機種が多くプリ発光するカメラメーカーのストロボにも同調します。
)
手軽に多灯ライティングを構築できるが問題もある
ストロボが機能(プリ発光モード)を持っていればデジカメ本体に内蔵しているストロボをトリガー(きっかけ)にして簡単に多灯同調システムを組むことができます。
注意点はまず、デジカメ本体に内蔵しているストロボで被写体に強い光を当ててはライティングの意味がなくなります。内臓ストロボの発光光量を落とすか、ディフューズさせるかしなくてはなりません。ホットシューにトリガー用ストロボを付ける場合も同じです。
光を感じるセンサーの問題(感度)もありますが、反応する距離が限られます。また受信センサーの方角により発光しない時があります。必ずテストが要ります。
中に入れてしまうソフトボックスなどでは光を拾わず発光しないことが多いので注意してください。
またイベントなどで設置する場合、観客のカメラのストロボで思わぬ発光をする時があります。無線シンクロか有線にするしかありません。
無線シンクロが大流行の時代ですが、テクニックとして覚えてください。撮影の現場ではなにが起こるかわかりません。送受信機の電池切れ、接触不良などトラブルに対応できるのも大切なことです。
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