グレーカードとカスタムホワイトバランス

実際にグレーカードを使ってみよう

カスタムホワイトバランス(マニュアルホワイトバランス)の取り方はカメラにより異なります。お持ちのカメラのマニュアルを確認してください。参考としてキヤノンのデジタル一眼の画像を掲載します。

まず撮影するライトを用意します。定常光でもフラッシュ光でも同じです。被写体の位置で、レンズ面に向かい角度を付けてグレーカードを置きます。

真上に平たく置く人がいますが、カード面が光りうまくホワイトバランスが取れません。

グレーカードをファインダーいっぱいに入れてシャッターを切ります。グレーカード以外の商品などは画面に入れてはいけません。
その画像をカメラ操作のメニューから選択します。カメラにこのグレーが標準と記憶させるわけです。

そして必ず、ホワイトバランスの選択メニューでカスタムWB(マニュアル)を選んで設定しましょう。先に設定しておいてもかまません。この作業もカメラによって違います。取説で確認してください。

このカスタムホワイトバランスは、一度取っておくとカメラが覚えています。毎回同じ光源、同じようなライティングであれば都度バランスを取って設定する必要はありません。
光が変わった時(光源、ライティングが大きく変わった時)には面倒でもホワイトバランスを取りましょう。

設定するとどれだけ変わるのか?

まず最初に富士フィルム社のネオ一眼といわれる高級コンパクトデジカメで撮り比べてみました。照明は、写真電機工業の蛍光灯ライト一灯(電球はパソニック昼白色100W相当品)レフ板などを使っています。

絞り優先でわずかに明るさが違って撮れました。明るさの違い以上に、色が違うのがお分りでしょう。(背景のグレーはオートWBが正確?)好みの問題もあると思いますが、右のカスタムホワイトバランスのほうが万人向けではないでしょうか?

同じ条件でキヤノンの中級デジタル一眼レフAPS-Cタイプでも取り比べました。こちらもやや明るく少しウオーム(暖色系)な感じです。
電球の色と関係があるのでしょう。

PHOTSHOPでさらに微調整

両方の、カスタムバランスを取った右側の画像の背景(白)の部分に少し色が付いています。このかぶりをPhotoShopで補正してみました。秒速の補正で手間はかけていません。なおウォームな感じが良い場合は追加補正なしでもOKかもしれません。個人的には補正したほうが良いと思います。

よくある疑問?

グレーカードでなく、白い紙や、黒い紙でカスタムホワイトバランスは取れないのか?という質問が時々あります。
白い紙はニュートラルホワイトとでも言う色の紙ならOKです。黒い紙では取れません。

現実にはコピー用紙、プリント用紙など一見、白に見える紙のほとんどに蛍光染料が使われています。人間の目には白く見えますが、カメラには青みがかった色に見えます。そのためあまり積極的にはお勧めしません。(偶然、カメラの発色と合った色の白紙も存在はします)

グレーカードが手元になくミックス光(いろんな光源の光が混じった状態)で撮影しなければならないときなどの緊急時は、使ったほうが後の処理が楽になります。

またあまり厳密な色を求めない時は、光源がよく変わる時は、オートホワイトバランスでも良いと思います。(カメラも進化しています。)